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夏から秋にかけての下痢 〜 桂枝人参湯(けいしにんじんとう) 〜
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    ここ数日、下痢の方のご相談が増えています。

     

    暦的にはもう秋になっておりますので、秋は肺大腸経が旺する(頑張っている)期節ですから、大腸の弱りからくる下痢が多くなってくることはごく自然なことで、こういうところからも自然の摂理や人間の体の働き方も自然の影響を受けていることが改めて実感できます。

     

    まだまだ暑いですからクーラーを効かせて体表から冷やしている生活環境がどなたでもあるのではないでしょうか。そこに加え、冷蔵庫内の冷えた飲物、アイスや氷類、スイカや桃、ブドウなどの果物類、なおかつ水分の摂取量も多くなってきやすい時期です。水は体内の中では一番冷やす働きを持つものですから、そうすると外からも中からも両面から冷やして弱らすという事になります。

     

    人間の体というのは、夏は外気温が高いですから熱中症などにならないように体内の熱を汗として放散できるように、血液の循環や陽気の熱は内臓よりも体表部に多くなっています。反対に冬は体内の熱が逃げてしまわないように体表部よりも内部に血液や陽気の熱は寄っているのです。ですので冬は痔や出来物が多くできますよね。こういうことは傷寒論(しょうかんろん)の辨脈法(べんみゃくほう)30条にも書いてあります。その季節によって、人の体の血液や気の動き方、寄り方も変わってくるのです。

     

    夏は内臓、胃の熱が少ないのです。そこに水分や冷たい物が多く入ってきますし、その上にクーラーなどで体表部も冷やすわけですから、体としてもたまったものではありませんよね。その影響でどうなると思いますか。もちろんその人の体力や体質などにより様々な状態にはなるとは思いますが、ひとつのなりやすい形として傷寒論 太陽病下編の36条を見て頂くと良いと思います。

     

    「太陽病 外證(がいしょう)未だ除かざるに 数(しばしば)之を下し 遂に協熱(きょうねつ)して利し 利下(りげ)止まず 心下痞硬(しんかひこう)表裏解せざる者 桂枝人参湯(けいいにんじんとう) 之を主る」

     

    簡単に訳していきますと、太陽病で病の原因がまだ外にある、表がまだ治りきっていないのに下しをかけたという事です。治療の原則として、体表部が治っていない、体表部に病がまだあるときは下し(下剤など)はダメです。体表部の病が中に入ってしまい、症状が悪くなったり治りにくくなるためです。表が治っていない時はまずは表を治す、これは治療の原則です。よく風邪などの時にご年配の方が便が出ないことをお医者さんに伝えて風邪薬と下剤が一緒に出ることがありますが、これは要注意です!!

    話を戻します、ただこの場合は、恐らく外證がまだ残っていることが分かりにくかった状態であろうと思います。よく店頭で実際にお客様を診る時に外證があるかないか、どこでどう見極めていくか難しい時も多々ありますから。病が表にあるのを何回も何回も下しをかけてしまった、胃や消化器系に熱がこもっている場合は下しをかけて治しますから、そのような状態と間違えて何回も下しをかけてしまったということです。それにより体表部の病邪の熱を中に落とし込ませてしまい、何度も下して体内の津液(しんえき:血液を除いた体液)が不足して乾き、乾けば熱を持ちますから、その乾いた熱とぶつかり合ってますます下痢が激しくなってしまうのです。これを協熱と言います。そして半分表、半分裏の表裏の堺目がちょうど横隔膜らへん、胃の辺りのみぞおちらへん、心下(心臓の下らへん)に当たりますから、そこに外からと中からの熱がぶつかり合い硬く結ばれて心下痞硬(みぞおちのあたりが痞えたり硬くなる)の証が起こります。もちろん、表も裏も弱り整っていない状態となり下痢が止まないのです。そういう時には桂枝人参湯で之を治す、という事が書かれた条文です。

     

    端的に申しますと、クーラーで皮膚の表が冷やされ、冷たい物や水分量が増えて裏も冷やされ、表裏にまたがり冷え弱りが起きている状態、今の下痢の症状にピッタリであるということです。よく桂枝人参湯は出しております。ただ全てが桂枝人参湯ではありませんので、明日は桂枝人参湯ではない、よく出ている処方を1つご紹介させて頂きます。

     

     

    先日、「傷寒論の条文を交えて解説してほしい」というお声をいただきましたので、条文を書かせて頂きました。もっとここを書いてほしいという御要望ございましたら、ご意見いただけるとうれしいです。ご意見ご感想、お待ちしております。

     

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    | 漢方 | 12:39 | comments(0) | - |
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