ツルガ薬局公式サイト
ツルガ薬局公式ホームページへ!健康情報や漢方症例などが見れます!
CALENDAR
S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< October 2019 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
MOBILE
qrcode
<< 汗をかき過ぎると目が見えなくなってくる | main | 2015年(平成27年) 金運不及(きんうんふきゅう)の年の養生法 >>
越婢加半夏湯(えっぴかはんげとう) 〜 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)との違い 〜 
0

    今回は、「越婢加半夏湯(えっぴかはんげとう)」についてお話ししたいと思います。
    (少し難しく感じられるかもしれませんが、漢方的な考え方なども書かせて頂きたいと思います。)

    まず越婢加半夏湯は、越婢湯(えっぴとう)という処方に半夏(はんげ)という生薬を入れた漢方処方になります。
    越婢湯と聞くと、「越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)」を連想される方もいらっしゃるかもしれません。
    この越婢加朮湯も、越婢湯を元として白朮(びゃくじゅつ)という生薬を加えた処方になります。

    まず漢方の教科書である傷寒論(しょうかんろん)・金匱要略(きんきようりゃく)で、越婢加半夏湯はどこに載っているかと言いますと、肺痿肺癰咳嗽上気病(はいいはいようがいそうじょうきびょう)の14条にあります。

    「  咳して上気(じょうき) これを肺脹(はいちょう)と為す その人喘(ぜい)し目脱状(だつじょう)の如く脈浮大(ふだい)の者は 越婢加半夏湯 之を主(つかさど)る  」  

    この条文の解釈をしますと、
    上気とは、字の如く上に気がのぼるということです。咳も上気の一つです。気が上に突き上げる、気の動きと共に熱や水も上に突き上げられます。
    肺脹は病名だと言われておりますが、自分的な解釈としては、字の如く肺胞や肺の細胞が脹れる、つまり浮腫んでいるような状態と捉えています。

    漢方理論では「飲食物が胃に入ることで消化されて気が作られ、肺に送られて全身をめぐっている」とされています。気は、胃から上にある肺へ送られます。このことからも分かるように、胃に水が多くなり滞ってくると、肺にも水が溢れるようになってきます。肺は大腸や鼻や皮膚につながっていますから、肺に水が多くなってくると鼻水や汗、便や下痢として水が漏れ出るような症状が出てくる人もいれば、逆に水を出すことができず働きが悪くなることで様々な症状として出てくる人もいます。肺の水や気の停滞は、胸満や喘、息切れ、動悸、倚息(いそく:ものに寄りかかりながら呼吸すること、つまり体を横にしたり、かがんだり仰向けたりすることがつらいような状態)などの原因にもなります。このように、肺脹を「肺のむくみ」と捉えることだけでも色々な状態を考えることが出来ます。

    喘は、咳や喘息、ぜえぜえと呼吸が苦しい、ヒューヒューと音がするなどの症状を言います。
    目脱状の如くは、色々と捉え方があると思いますが、例えば目が抜けるような状態、目がバセドウ病(甲状腺機能亢進症)の眼球突出のように出てくる状態、逆にまぶたなどが腫れぼったい状態、目の脱力感などの症状をイメージして頂ければ良いのではないでしょうか。
    脈浮大、脈が浮いていて大きいということです。脈については細かく言うと大変ですので、簡単に説明すると病の原因が体表面に近くて力がある、と捉えると分かりやすいかもしれません。
    漢方薬は無理やりなことはしません。人が病気を治していく時にも、無理やりな治り方はしません。水や熱の病が体表面にある時には、病が出やすい表から出て治ります。例えば、上半身の水は汗で、下半身の水は尿(便)で出して治していくのです、これは金匱要略の条文(水気病19条)にもちゃんと書いてあります。

    「肺は気を蔵(ぞう)す」、つまり肺は気が豊富にあり、気の巡りや働きを中心的に行っている臓器になります。熱や水、血も気が無ければ正常に動けません。この越婢加半夏湯の方は、肺脹により肺の働きが低下することで、気が巡らなくなり、皮膚や顔、目、広い意味での上半身に熱と水が停滞している状態になっています。ですので、こういう状態の高血圧や浮腫み、痛みなどにはバッチリ効果を現してきます。

    次回は、越婢加半夏湯の生薬構成と越婢加朮湯の違い、その次は実際に越婢加半夏湯の症例を書きたいと思います。
     
    | 漢方 | 18:26 | comments(0) | - |
    コメント
    コメントする