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八味地黄丸(はちみぢおうがん)が効く人、効かない人
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    前回の「白朮附子湯が効く」の続きです。

    この80歳を超えている男性に白朮附子湯をオススメすると、実はすでに漢方薬の「八味地黄丸」を飲んでいるということでした。しかも、体の調子の良い時にだけ飲んでいるとのこと・・・。

    今飲んでいる八味地黄丸では、前回にも書いた今訴えている症状(食事の味が分からず美味しくない、体がしんどい、救心が効かなくなった、夜トイレに何回も起きる、杖をつくほど足が弱ってきている、3年前の動脈瘤からの後遺症など)の改善はされていない様子・・・。

     

     

    そもそも「八味地黄丸(はちみじおうがん)」とは、どういう漢方薬なのか・・・

    簡単に説明させて頂きます。

     

    八味丸(はちみがん)や腎気丸(じんきがん)という別名もあり、病院でも特に泌尿器科(頻尿など)で最近多く処方されます。牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)も、この八味地黄丸に牛膝(ごしつ)と車前子(しゃぜんし)という2種類の生薬を加えた漢方薬です。

    前回にも書きましたが、人の内臓や器官は、お互いに支え合って助け合ってバランスをとっています。このバランスの取り方には関係性があり、消化器系を中心とする膵臓(すいぞう)や胃腸などは、腎臓や膀胱、骨、下半身など(腎系)の働きが暴走しないように歯止めをかけてバランスを取っています。しかし、この消化器系に力や熱の偏りがあると、腎系を抑え込み過ぎてしまいます。腎系が抑え込まれることで、腰や足、膝に弱りの症状が出たり、尿漏れや頻尿、逆に尿の出が悪くなったり、むくみ、骨粗鬆症、抜け毛、耳や目の老化、やる気や根気の低下、認知機能低下などの症状が出ます。この消化器系、特に胃に力の偏りができることによって、腎系が抑え込まれている関係性を改善する漢方薬の1つが八味地黄丸です。

     

    八味地黄丸は、地黄(じおう)が主薬です。気味は甘寒で、「血の熱を凉し、出血を止め、肌肉を潤し養う 血を治する」働きがあります。そして、澤瀉(タクシャ)は気味は同じく甘寒で、「胃に偏った熱による渇きを改善し水分を調節」します。共に気味は甘寒です。甘寒とはその生薬の持つ気の働きと味のことで、簡単に表現しますと胃の熱を冷ましていく働きがある生薬になります。食事、食べ物は熱です。食べ物を胃に入れることで消化して熱エネルギーが出来ます。つまり食べることは、胃で熱を作ることにつながります。八味地黄丸は、まずこの胃に熱がある方でないと飲めません。つまり、食欲があってきちんと食べている方でないといけないのです。

     

    漢方の教科書である金匱要畧(きんきようりゃく)では、八味丸は5箇所に掲載されています。専門的にはなりますが、ご紹介させて頂きます。

    ■中風歴節病(ちゅうふうれきせつびょう)附方(ふほう) 20条

    「崔氏(さいし)八味丸 脚気(かっけ)上り入り少腹不仁(しょうふくふじん)を治す」

    ■血痺虚労病(けっぴきょろうびょう) 15条

      「虚労 腰痛 少腹拘急(しょうふくこうきゅう) 小便不利の者、八味腎気丸 之を主どる」

    ■痰飲咳嗽病(たんいんがいそうびょう) 18条

     「夫れ(それ) 短気(たんき) 微飲有り、当に小便より之を去るべし 苓桂朮甘湯之を主どる 八味丸も亦た之を主どる」

    ■消渇小便利淋病(しょうかちしょうべんりりんびょう) 4条

      「男子、消渇 (しょうかち) 小便反って(かえって)多く 飲一斗を以って小便一斗なるは、腎気丸 之を主どる」

    ■婦人雑病 19条

     「問うて曰く、婦人病みて飲食故の如く、煩熱臥するを得ずして反ってい息する者は何也 師曰く此れを転胞(てんぽう)と名づく、尿を得ざる也 胞系了戻(ほうけいりょうれい)するを以っての故に此の病を致す 但だ小便を利すれば則ち癒ゆ、宜しく腎気丸之を主どる」

     

    これらの条文からも見て分かるとおり、八味丸の基本は「小便不利(出にくい、出が悪い)」です。病院ではよく夜トイレの回数が多くなったり、頻尿で処方されることが多いようです。消渇小便利淋病4条が、唯一小便自利(尿の回数や出が多い)の条文です。この場合は、飲んだら飲んだ分だけ出る、つまり例えば夜間尿が増えたということで八味丸が効く時には、必ずその出る水分を夕食や寝る前に摂取しているということになります。果物やお酒、水やお茶、ジュースなど、尿に出る水分を夜眠る前に取っている場合には、よく当てはまります。もちろんこの場合も、胃がしっかりしていなければなりません。

     

    この方の場合、「食事の味が分からず美味しくない」という状態から見ても、八味地黄丸は合いません。逆に服用することで調子の悪さが出てくる可能性があります。また、「夜トイレに何回も起きる」とは言っても、寝る前の水分の取り過ぎはありません、真の腎系と脾胃系の弱りですので、やはり白朮附子湯が合うのです。

     

     

    まだまだ書きたいことがありますが、あまり難しくなってもいけませんので、この辺で終わろうと思います。

    もしご興味のある方、またご意見・ご質問がありましたら、お気軽にツルガ薬局(田邉宗久 又は 漢方専門相談スタッフ)までご連絡下さい♪  筌張襯薬局 松原店 0770-22-8515

     

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    | 漢方 | 18:56 | comments(0) | - |
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