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白朮附子湯(びゃくじゅつぶしとう)が効く
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    先日、「最近、夜のトイレの回数が多くなってきて困っている」というご相談を受けました。

    やせ型で杖をついた80歳以上の男性の方です。

     

    話しの中で、「食べ物の味が分からず、食事がおいしくないんだよね」とおっしゃられました。そして、「今までは、しんどくなった時には救心を飲んで効いていたのに、3年前に動脈瘤の手術をしてからは救心を飲んでもしんどさが取れない」ともおっしゃられました。

     

    これだけでピーンときました。この方は「朮附湯(じゅつぶとう)」です。

    金匱要畧(きんきようりゃく)という漢方の教科書(中風歴節病篇の19条)に書いてあります。

     

    【 風虚(ふうきょ)頭重(ずじゅう)眩(げん)苦しみ極まり、食味を知らざるを治す 肌を暖め中を補い精気を増す 】

     

    「食味を知らざるを治す」、つまり味が分からないほど胃と腎の力が弱ってしまっている時に朮附湯が効きます。

     

    主薬は白朮ですから、血が冷えておしっこが出過ぎたり、逆に腎の働きが弱まることで出が悪くなった時にも使います。この方は、夜何回もトイレに行きます。

     

    また、腎は下焦(げしょう)を主どると言い、下半身の足や膝、腰を温めて丈夫に保持する働きを担っています。この方は、杖をついています。足腰の弱り、腎の弱りが出ていることが伺えます。

     

    そして、腎の守る働きが弱まることで、足の気が上に上がってしまいます。足の気は陽気です。陽気は温める気ですので、熱の性質を持ち、上へ上りやすい性質があるためです。腎の働きが弱まってしまっていることで、この足の気が心臓や胸の辺りまで上り、救心を飲んでも楽になれないほどの状態になっていると考えらます。

     

    条文にある「中を補い精気を増す」、精気は腎の気です。認知機能(物忘れ・記憶力)や生命力の衰えを防いでこれらの働きを増していく、と書かれています。この方は80歳を超えています、認知機能や生命力を高めていくことが、より生活の質を高めることにつながります。

     

    朮附湯は、脳梗塞や手術後の後遺症の人に飲んでもらって大変喜ばれた例があります。これなども、処方を構成している生薬の働きと、条文の「肌を暖め中を補い精気を増す」というところからも納得ができます。この方の場合も、3年前の手術後から、味が分からなくなり、トイレの回数も増え、体重も減り、体力も落ちてきています、いわゆる術後の後遺症として捉えても良いかもしれません。

     

    もう一つ、相剋(そうこく)関係でも、朮附湯が当てはまっていることが説明できます。私達の体は、内臓同士でバランスを取るようになっていて、腎は心の暴走を抑える働きをもっています。今、朮附湯を飲むべきほど腎が弱まっているということは、腎によって抑え付けられて調節されていた心の働きが暴走してしまうのです。心は血脈を主どる、と言われ、血管や血液をめぐらせる脈の力を担っています。脈や血管に無理がかかり、3年前に動脈瘤の手術をするに至った・・・、そのように推察することもできます。

     

    自然の流れ、人間の体には道理・原則があります。ご自身で治せる状態に調えてあげることが、漢方薬の役割なのです。



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    | 漢方 | 12:06 | comments(0) | - |
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