さて今回は人間の体内の臓(ぞう)と腑(ふ)の関係を書かせて頂きたいと思います。
臓と腑は、簡単に表現してしまえば、親子関係や表裏の関係と捉えると分かりやすいです。
肝臓と胆のう、心臓と小腸、脾臓(ひぞう:すい臓)と胃、肺臓と大腸、腎臓と膀胱、が親子だと考えて頂ければよろしいかと思います。
人の体は、親である臓が病んでしまうと回復が難しくなるため、親への負担を子に流す関係性が備わっています。
例えば毎日お酒を沢山飲み続けていて肝臓に無理をかけている人は、よく胆汁の流れが滞りやすくなり、胆道系や胆管、胆のうに負担がかかり、胆石などができたりします。ひどいと胆のうを手術で取らなければならなくなる人もいらっしゃいます。このように親である肝臓への負担は、子供である胆のうへ流しているのです。
私が知っているだけでも、お酒が原因で胆のうを手術で取られた方は数人おられます。病院で胆のうを全摘した後、その人が同じような生活習慣を続けていると、必ずと言っていいほど肝臓を病んでしまいます。もう負担を流せる子供(胆のう)がいないためです。ですから、十分注意しなければいけませんし、本来はこういう話を病院や薬局で、お伝えしなければいけないと私は思います。臓が病んでしまうと、病気を治していくということは難しくなります。
他にも肺と大腸の関係性の例をあげると、喫煙している方に大腸がんが多いことはご存知でしょうか。これは肺への負担が大腸に影響を与えたと考えられます。
このように臓と腑は密接に助け合い関連性がありますから、例えば大腸ポリープが検査で見つかった人は、将来肺の呼吸器関連の病気に注意していかなければいけません。便秘や下痢、スッキリ気持ちよく太くて柔らかい良質の便が長い間出ていなければ、大腸や肺に気をつけなければいけません。
膀胱炎や頻尿、尿のトラブル、男性なら前立腺肥大など、膀胱の関連症状は出ていませんか?膝や腰、下半身、骨や歯なども膀胱と同じ状態が出ますから、ここに弱りが出てきている方は、その臓である腎を大切にしていかなければいけません。
胃が調子悪い人は、すい臓に無理がかかっている人が多いです。すい臓は、大酒や大食、タバコやストレスを嫌います。すい臓ガンは発見が難しく、見つかった時には随分進行しているケースが多いと言われています。胃からのSOSのサインが出ているうちに、原因を見つけ早めに改善していきましょう。
渋り腹や、ドロドロした便、痔や、食事の前後の不快感、血圧異常、脈の乱れ、気持ちが落ち着かないなどの精神的症状などの小腸の症状は出ていませんか?小腸に無理がかかってくると、ひいては血液循環や脈に異常が出て心臓に病気が出てきやすくなります。
胆のうや胃、腸、膀胱の悲鳴を見逃さず、きちんと改善して治していく、これが将来命を左右しかねない臓の病(大病)を防ぐためのコツです。体から発せられているSOSサインを見逃さないようにしましょう !