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まぶたのピクピク   〜 病院で検査しても異常がなく1ヶ月長引いている 〜
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    JUGEMテーマ:健康

     

    先日、50代の女性の方が、「1ヶ月ほど前からほぼ毎日、右目のまぶたの上がピクピク動く。それと連動して最近は目の奥も痛くなる。病院へ行って検査しても異常がないと言われるのですが、何かありませんか?」とご来店頂きました。

     

    問診していきますと、

    ・1か月ほど前(2018年6月中旬頃)から、この症状が起こりだした

    ・ご自身で思い当たることは無し

    ・症状が起こりやすい時間帯や環境・生活など(クーラーの風、天気、梅雨、湿気)での変化なし

    ・口渇なし

    ・水分の取りすぎもなし

    ・汗はかきやすい方(顔と首)だが、今は汗かかないようにしている(ネチョッとするのが嫌なので)。お風呂も湯船には浸かっているが、37℃くらいで汗かかないようにしている。汗をかくことによって調子が悪くなるという事はない

    ・便は普通(固くなるよりは緩くなる体質)

    ・小便 1日8回ほど 

    ・クーラーは28℃くらい(→でも朝方は寒く感じる)

    ・めまい、耳鳴り、頭痛、頭冒(ずぼう)、胃の痞え、腹痛、腰痛、動悸、息切れなどの他の症状なし

    ・強いて言えば、血圧の薬服用していること、最近足がむくむ(夕方押すと少しへこむくらい)、膝(左)が正座する時等少しこわばる感じ(これもここ1ヶ月くらい前から)があるくらい

    ・4年程前(2〜3月頃)にもなったことあり(この時も長かった1ヶ月ほどかかった、知らない間に治まっていた)。その前も何回か繰り返しなっているようだが、今回のようにひどいのは初めて。

    ・嗜好品としては、ここ2ヶ月ほど前から貰い物のペットボトルのアイスコーヒーを毎日頑張って飲んでいる。アイスも食べる、クルミやアーモンドも(12個ほど/日)、あられ小さいのを3個、パンも。毎日20時頃バナナ1本、牛乳、果物や野菜をミキサーに入れて飲んでいる。

     

     

    さて、病院で検査しても異常が見つからず、ほぼ毎日症状が起こり目の奥まで痛くなってきておられます。この原因は何なのでしょうか。一見すると水が多そうには見えませんが、私は皮膚表面に水の停滞があり、これにより症状が起こっていると考えました。

     

     

    理由はいくつかあります。

     

     

    まず、1ヶ月ほど前から症状が起こっています。ご本人様は思い当たることはないということですが、1ヶ月ほど前は夏にあたります。夏は心(しん)が旺(おう)する期節であり、かつ肺や皮膚や大腸、鼻の働きが抑えられやすい期節になります。心が旺するとは、心臓や血管、脈を始め循環器系が力を持ち、熱がこもりやすい状態になっていることをいいます。ここに、あられやパンなどを取ることでさらに血に熱を持ちやすくなります。この血の熱は、血の液・心の液として汗で発散していけばいいのですが、この方の場合汗をあえてかかないようにしておられます。つまり、血の熱が十分に取れないことになります。

     

     

    熱を冷ますには、体内では水がその冷やす作用を担っています。血の熱が体内の水を引っ張り、その水分が関節や皮膚に流れます。「湿(重い水をイメージしてもらえば結構です)は関節に流る」と金匱要略(きんきようりゃく)にもちゃんと書かれております。これにより、膝の痛みが出ていると考えられます。

     

     

    「命にかかわる危険な暑さ」と連日ニュースで言われていますから、職場でも家でもクーラーは欠かせない環境になっております。クーラーで皮膚を冷やすことで、汗として皮膚から発散されるべき水分と血の熱は、外へ発しにくくなり、皮膚近辺に水分が停滞しやすくなります。この停滞した水分を、体は何とかして動かして治したいですから、無意識の筋肉運動を起こし、その時に発生する熱エネルギーでこの停滞した冷えた水を温めてさばきやすくしようとします。これがまぶたのピクピクの病理です。

     

     

    この方は細身の女性で、体の温める力はそれほど強くはありません。つまり皮膚のクーラーに抵抗する力、胃で飲食物を温めていく力も、それ相応になります。ここに、アイスコーヒーや、この酷暑によるクーラーの影響、汗のかき方や入浴などの生活習慣が加わり、特別メチャクチャなことをしていない、いつもと同じ日常生活の範囲内でこの状態が作られてきてしまったのです。

     

     

     

    このような皮膚近辺の水、ちょうど皮膚の下の肉の辺りに滞ってしまった水をさばく時には、茯苓(ぶくりょう)という生薬が良く効きます。この方の皮膚の力と、クーラーなどの生活環境を考慮すると、皮膚を温めて停滞した水がさばきやすいように、気の発散と巡りを良くしていく桂枝(けいし)も必要です。そして茯苓と桂枝の働きを助けるために、血に入り皮膚を温めながら水をさばき、かつ筋骨や関節の痛みを和らげていく生薬や、とどまったものを和らげ症状を緩和し正常に戻していく生薬など、生薬1つ1つの働きから処方を選びました。養生法の説明と考えた漢方薬を1週間分差し上げました。

     

     

     

     

    4日後にお電話を頂きました。

     

    「木曜日の夜から漢方薬を飲み始めて、土曜日の午前中には、ピクピクの症状が出る間隔が伸びて、程度も軽くなっていることに気付き、翌日の日曜日は症状が出ませんでした。今日も出ていませんが、まだ飲んだ方がよろしいですか?」

     

     

    バッチリ合っていることが分かりましたので、差し上げた1週間分は飲み切っていただけるようにお伝え致しました。

     

     

     

    生薬の1つ1つが持つ気味(きみ:気と味)と薬能(やくのう:効能)から導き出していくことも大切ですね♪

    改めて勉強になりました(-ω-)/

     

     

     

    因みに茯苓と桂枝が入った処方を参考までにいくつかご紹介させて頂きます。

    茯苓甘草湯(ぶくりょうかんぞうとう)、黒散(こくさん)、八味丸(はちみがん)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、苓桂甘棗湯(りょうけいかんそうとう)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、苓桂味甘湯(りょうけいみかんとう)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、五苓散(ごれいさん)、茯苓沢瀉湯(ぶくりょうたくしゃとう)、防已茯苓湯(ぼういぶくりょうとう)・・・等々、沢山あります。ご興味のある方は、調べてみると「気の衝逆(しょうぎゃく)」、「水の衝逆」がその処方に隠されていることが発見できてきて、新たな発見があるかもしれません(/ω\)

     

     

     

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    | 漢方 | 10:31 | comments(0) | - |
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