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茯苓四逆湯(ぶくりょうしぎゃくとう)からの・・・ 〜漢方薬1つ1つの作用をきちんと考えることが大切〜
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    明けましておめでとうございます。

    本年もどうか皆様にとって幸せな年となりますように♪

     

    今日は、年末に私自身が勉強にもなり感動した出来事をご紹介させて頂きたいと思います。

     

     

     

    2017年12月31日 

    朝にある方から電話があり、その電話されてこられた方のお知り合いの人のご相談でした。

    内容は、「今朝から急に吐気がして、吐いて吐いて血が混じるほど吐いた、気分が悪く寒気や節々の痛みがあり、熱もある。

    病院の解熱鎮痛剤を服用しても痛みも熱も下がらない。清心丸を何丸も飲んでいるが、寝ようとしても体の置き場がなくしんどくて寝れない。何とかなりませんか?」とのことでした。

     

    因みに、このご本人様(今体調が悪くなっている方)とは、私自身大変お世話になっている方です。今までも何回かご相談いただいている方ですので、外見や体格、体質などもある程度分かっている方です。

     

    さて、電話でのまた聞きですが、まずは吐いて血が混じると言われたので、その血がどの程度のものなのか、緊急性があるのか、万が一の状態も考えた方が良いのか確認したところ、吐く回数が多く喉の粘膜が少し切れたくらいの出血だと分かりました。

    原因を聞こうにも、電話がご本人様でないために詳しくは分かりませんが、まず漢方の教科書である「傷寒論(しょうかんろん)・金匱要略(きんきようりゃく)」で言うと、症状は霍乱病(かくらんびょう)に当てはまります。

     

    霍乱病とは、急な吐き下しの病です。頭痛や体・節々の痛み、発熱、嘔吐、下痢などの症状を伴った時の原因や状態、処方などが書

    かれております。基本としては、人参湯(にんじんとう)と五苓散(ごれいさん)を考えるのですが、この方の場合は、症状が激しく、もっともっと体が虚(きょ)して弱っています。これらの処方では恐らく治りません。

     

    「傷寒論・金匱要略」は書いてある順序が非常に大切です。病の流れ方や経過、その処方で治らない時の状態や他処方などヒントが沢山書かれています。これは、直接お会いしたことはありませんが、本を読ませて頂いて非常に尊敬している「藤本肇先生」が書かれておられます。

     

    霍乱病の人参湯よりももっと虚した状態に使う処方の一つに「四逆加人参湯(しぎゃくかにんじんとう)」があります。実際に人参湯や五苓散が載っている条文の前に載っております。さすが傷寒論・金匱要略ですね。そしてこの方は元々四逆加人参湯をよく服用されておられます。つまりよく合う、そしてこの状態になりやすい体質ということが言えます。

     

    ここからは応用と加減なのですが、この人は「寝ようとしても体の置き場がなくて、しんどくて寝れない」という症状があります。これは煩躁(はんそう)という状態です。吐いて吐いて、津液(しんえき:広い意味で体液)が不足したための煩躁ですから、水を収(おさ)め乾きを潤す働きのある茯苓(ぶくりょう)が必要です。

     

     

    四逆加人参湯に茯苓を加えると、「茯苓四逆湯(ぶくりょうしぎゃくとう)」と言う処方になります。この処方は、どこに載っているでしょうか・・・。そうです、太陽病中篇39条にあります。

     

    「発汗もしくは之を下し 病なお解せず 煩躁する者 茯苓四逆湯之を主る」

     

    これも条文の前後の流れが非常に大切になるのですが、桂枝甘草湯(けいしかんぞうとう)、苓桂甘棗湯(りょうけいかんそうとう)苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、からのこの条文の茯苓四逆湯です。

     

     

    人間は基本として、体表部に病の原因がある時は発汗で、内部に病の原因がある時は下して治していこうとします。ただ体力がないと、この発汗や下しでは病は治りません。そういう時は補わないといけません。もし補わないといけない状態で、発汗し過ぎるとどうなるか、下してしまうとどうなるか、どなたでもお分かり頂けることと思います。

    上記の茯苓四逆湯の条文は、まさにこの補わないといけない方のことを言っております。汗は、血の液であり、血の陽気の熱エネルギーを出す行為ですから、元々が体力が弱い方、別の表現で言いますと血の体力が弱い方に、汗をかかせてしまうと、体内の津液(体液)のバランスが崩れ、潤いを失い乾いたところには熱がこもります。この熱が煩躁(はんそう:もだえさわぐ)としての症状を引き起こしてしまうのです。こういう煩躁が出てきた状態に茯苓四逆湯がよく効きます。

     

    もちろん煩躁があれば何でもかんでも茯苓四逆湯ではないですから、そこだけは間違えないようにしなくてはいけません。寒があれば熱もあるように、虚があれば実もあります。茯苓四逆湯の煩躁を虚とすれば、大青竜湯(だいせいりゅうとう)は実の煩躁です。

     

    ・・・・、あまり脱線してはいけませんので、戻ります。

     

     

    ですので、この方には茯苓四逆湯が合うと思いました。それほど体の状態は虚しているという事になります。ですから一般的な解熱鎮痛薬では痛みも熱も下がらないのです。

    すぐに煎じ薬を作って3日分差し上げました。

     

     

     

    2017年12月31日 午前中 また電話がありました。

    吐気は落ち着いたのですが、節々の痛みと熱、寒気がひどいとのことでした。昨日はなんとか寝れたようでしたし、一番つらかった吐気が治まっていたので、茯苓四逆湯は効いていると思いました。ただ、まだ寒気と熱、節々の痛みがあり、電話越しの声も弱々しくしんどそうでした。

     

    このまま続けるべきか否か・・・。

    正直申しますと、私の頭の中では、附子湯(ぶしとう)や麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)、桂姜棗草黄辛附湯(けいきょうそうそうおうしんぶとう)などを考えておりました・・・。処方を変えようかと・・・。

     

    ここで前日に偶然、荒木性次先生の七合(しちごう)という本を読んでいたことを思い出しました。

    「歯の痛みに、桂枝附子湯(けいしぶしとう)を使うことで外の痛みが治り内に痛みが移動し、黄連阿膠湯(おうれんあきょうとう)を使うことで内の痛みが治り外に痛みが移動した、このことから麻黄附子細辛湯を使い表裏の痛みを取り、再発した痛みには八味丸(はちみがん)で治した」という症例がありました。これは、病の位置を考え、その漢方処方がどの病位にどのように効くかが分かっているからこそできる荒木先生の症例です。

     

     

    茯苓四逆湯は効いています。ただこれだけでは速やかな回復ができないということは、どこかに邪魔をしている、整っていないところがあるのです。茯苓四逆湯は、茯苓・甘草(かんぞう)・乾姜(かんきょう)・附子(ぶし)・人参で構成されておりますから、甘草乾姜で陽気を復し、人参と茯苓で血の乾きを潤し補い、附子で陽気を増して津液を保ちます。つまり裏(り:この場合体内のこと)を補う処方です。上述した荒木先生のように病の位置を考えてみると、この人は茯苓四逆湯で一番の急な吐気は良くなり、裏は回復しつつあります。そうするとこの寒気と熱、節々の痛みの病位(びょうい:病の位置)はどこにあるのか・・・、表です。表に行く処方が必要です。のどからの血、冷え、寒気、熱、節々の痛み、体質などを考慮して、少陰病(しょういんびょう)に出ている麻黄附子細辛湯を考えました。裏を補う茯苓四逆湯の服用を続けながら、表にいく麻黄附子細辛湯を服用するようにお渡しいたしました。

     

     

     

    2017年12月31日  13時頃電話がありました

    「麻黄附子細辛湯 2回飲みました。知らない間に眠ることが出来て、体が大変楽になりました。汗もしっかり出て冷えも取れて、熱も下がり、節々の痛みも無くなりました。」と処方が合っているみたいだと大変調子が良くなったとのご連絡を頂きました(お知り合いの方からの御連絡でした)。

     

     

     

    2018年1月4日 ご本人様がご来店され、実際に体調をお伺いすることができました。

    「麻黄附子細辛湯を服用したその日の夜から、熱も痛みも寒気も取れ、年末年始の親戚の方々へのご挨拶や応対もすることができました。こんなにも効くのなのですね、本当に助かりました、ありがとうございました。」と言って頂けました。

     

     

    前日に読んでいた荒木先生の本・・・。病の位置を考え、その漢方処方がどの病位にどのように効くか、きちんと考えなければいけませんよ、とご指導いただいた気がしました。本当に感謝致します。

     

     

    荒木先生からの教えと、漢方薬の理にかなった効果に感動致しました(/ω\)

     

     

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    | 漢方 | 19:28 | comments(0) | - |
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