ツルガ薬局公式サイト
ツルガ薬局公式ホームページへ!健康情報や漢方症例などが見れます!
CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< September 2017 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
MOBILE
qrcode
検査数値の落とし穴  〜 腎臓のクレアチニンとGFR 〜
0

     

     

    健康診断や病院の検査で示される検査数値。

    最近よく目にされる機会も多くなってきているのではないでしょうか。

     

    店頭でも検査数値についてよくご質問を受けます。

    検査数値を見ていくにあたり大切なことがあります。

    検査数値はもちろん病気発見や状態把握のための有用な手段の一つにはなりますが、絶対的なものではないということです。また何か1つの数値だけを見て判断するのではなく、いくつかの数値を総合的に見ていく必要があります。継続的に見ていかないと分からないこともあります。そしてもう一つ、検査数値には正常値というものが表示されていますが、病院によって正常値の数字が大きく違うことも少なくありません。厳格に見ていかなければいけない数値もありますが、あまり細かい数値を気にしなくていいものもあります。

     

    さて今回は、腎臓の検査数値で大切な「クレアチニン」と「GFR」について簡単に説明させて頂きます。

     

    先日も書きましたが、腎臓には、血液を糸球体というろ過フィルターに通してきれいにする働きがあります。この血液をきれいにする力、糸球体でろ過された値をGFR(ジーエフアール)という数値で表します。GFRが低いということは、腎臓の働きが悪いということを意味します。GFRの基準値は、60以上と言われています。

     

    このGFRは、\別、年齢、7豈嫦罎離レアチニン(筋肉のごみ)の量、の3つから推算されます。のクレアチニンは、筋肉のゴミですから、クレアチニンが高ければ高いほど腎臓でろ過できていない、つまり腎臓の働きが悪いということになります。クレアチニン(Crとも書きます)の基準値は、男性:0.5〜1.1、女性:0.4〜0.8とされております。

     

    GFRが低くなり、クレアチニンが高くなって、自身の腎機能だけではなかなか血液をキレイにすることが出来なくなると、透析(腎機能を人工的に代替する)が開始されます。この透析の目安を日本透析医学会が発表しております。それによりますとGFRが8未満、クレアチニンは8以上になってから透析を行う方が生命予後が良好で望ましいとされております(細かく言うと他の様々なことで透析導入のラインは変わりますので、絶対的なものではありません)。

     

    さてここからが本題ですが、例えばGFRが10の人が店頭に来られた時に、この数字だけを見て判断することは実はよくありません。上述したようにGFRは筋肉のゴミであるクレアチニンを糸球体でどれくらいきちんとろ過できているかどうかを現した値です。つまりクレアチニンから算出されます。クレアチニンは筋肉のゴミですから、そもそも筋肉が痩せている人はクレアチニンの数値も基準値よりも低く考えなければなりません。80歳のご高齢のご婦人で、痩せて筋肉の量が少ない方のGFR10の場合は、実際のGFRよりも低い、つまり一般的なGFR10の腎機能よりもさらに悪い(低い)と判断しなければなりません。反対に筋肉が多い人でGFR10の場合、一般的なGFR10の腎機能よりも良い(高い)と判断致します。

     

     

    このように検査数値においても、数値だけを見て判断するのではなく、その人自身の年齢や体格、様々なことを考慮しながら見ていかなければ本当の意味が分からないのです。検査数値を見る時も、漢方薬をお出しする時も、その人自身をきちんと見ていくこと、根本を捉えることが大切なことになるのです。

     

     

     

    bnr_hp150.gif

     

     

     

     

     

     

    | 漢方 | 13:41 | comments(0) | - |
    心臓と腎臓の意外な関係性・・・  〜 相性相剋とは 〜
    0

      今週は、水曜日の薬剤師会の循環器系の勉強会があり、心臓中心の内容でした。

      そして木曜日は、検査数値の専門的な講師を招いての自店勉強会で、腎臓の検査数値について勉強致しました。

       

      一見、心臓と腎臓と全く違うように思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は関係が深いのです。現にそれぞれの勉強会で心臓の構造と働き、心不全の症状、むくみや腎臓の働き、腎臓に作用する利尿薬など共通する内容がありました。

       

      「腎臓が悪くなると、心臓にもその影響が及び負担がかかってくる」

      これは西洋医学でも様々なデータで分かっていることですが、漢方の東洋医学では昔から説明されています。

       

      相生相剋(そうせいそうこく)の関係というのがあります。

      肝臓は心臓を助け、心臓は脾臓(ひぞう:東洋医学の五行の脾臓はすい臓と考えます)を助け、脾臓は肺臓を助け、肺臓は腎臓を助け、腎臓は肝臓を助けます。助けがあることで各々が正常に働くことができます。この助け合う関係性を相生(そうせい)と言います。

       

      反対に、力を持ち過ぎているところは抑え合いながらバランスを取っていこうとする関係性もあります。これを相剋(そうこく)と言います。肝臓は脾臓を抑え、脾臓は腎臓を抑え、腎臓は心臓を抑え、心臓は肺臓を抑え、肺臓は肝臓を抑えて健康を保ちます。

       

       

       

      例えば、腎臓について見てみましょう。

      腎臓の代表的なはたらきとして、血液をきれいにしたり、血圧を調整したり、赤血球の合成、カルシウムの吸収や骨形成、水分や体液、ミネラル、PHの調節などが知られております。

       

      腎臓は血液の汚れをろ過していく場所ですから、腎臓が悪くなると糸球体(しきゅうたい)というろ過フィルターの目が粗くなり、普通なら通さないタンパク質までも通過して尿に漏れ出てきてしまいます。それによって血液中のタンパク質であるアルブミンも減ってきてしまいます。このアルブミンは、血液中の水分調節をしているタンパク質です。また体力の指標・栄養状態を反映し、骨折や寝たきり、ガンや感染症の予防、免疫や自然治癒力・ホルモン力を高め、若々しく健康で長生きの絶対第一条件とされている非常に大切なタンパク質です。このアルブミンが減ることで、水分調節が出来ずに血液中の水分量が増え、血管内や心臓にかかる圧力も高まり負担がかかります。これにより、むくみや頻脈、動悸が出やすくなります(腎臓は心臓を抑える相剋関係です)。

       

      実はこのアルブミンは肝臓でしか作られません。つまりアルブミンが尿で漏れ出てくるほど腎臓が悪くなると、肝臓は減ってきたアルブミンを少しでも増やそうと頑張ります。つまり負担がかかるのです(腎臓は肝臓を助ける相生の関係です)。

       

      また肝臓は血を貯めこむ場所です。元気な血がきちんと肝臓に戻り蓄えられることで肝臓も正常に働くことが出来ます。実は血液中の赤血球を作るためには、腎臓から分泌される「エリスロポエチン」というホルモンが必須になります。腎臓が悪くなりエリスロポエチンが減ると貧血(腎性貧血)となり、肝臓も弱るのです(腎臓は肝臓を助ける相生の関係です)。

       

      このように腎臓と心臓の関係性について、西洋医学では様々な研究や統計で最近分かってきましたが、東洋医学では実は何千年も前から理解されていたことなのです。

       

      東洋医学・漢方薬の理にかなった考え方、改めて感動いたしました(/ω\)

       

       

       

       

       

      bnr_hp150.gif

       

       

       

       

       

      | 漢方 | 11:47 | comments(0) | - |
      めまい、急なのど痛、首と肩こり、下半身の冷え 〜 この時期案外多い状態 〜
      0

        最近風が涼しくなってきました。気温も秋らしくなり、過ごしやすくなってまいりました。

        ただ生活は、まだ夏と同じようにクーラーや冷蔵庫の中の冷えた物を取っている方も多いのではないでしょうか。

         

        昨日は休日急患センターで勤務させて頂きましたが、熱が出るお子様が多かったように感じました。冷たい物が続いていると子供さんは大人よりも体が弱いですから、鼻水や咳、風邪などの体調不良を起こしやすくなります。養生法は、とにかく甘い物(お菓子やパン)、冷えた物や果物は控えて頂きたいという事になります。

         

        クーラーなどで皮膚表面から冷やし、夏から秋にかけての飲食物で体内も冷やし、この時期よく腎まで冷えて体調不良を起こす方が多くいます。腎は、体内で一番深い所に位置しますから、本来はそこまで冷えの影響が出てしまうということは大変なことなのですが、最近は若い人でも多く見られるようになってきました。体を養う食事が減り、栄養不足、血液や体に力が無い人が増えてきたためと思われます。普段の食生活が予防には大切ですね。モデルやアイドルの方々が色々な媒体で身近になり、体型や外見、その時の格好良さやキレイさばかり追い求める方が多くなってきました。5年後や10年後、20年後の自身の身体を左右していく命を養う本当の食事に意識を置く方が減ってきたように思います。注意していかなければいけません。

         

         

        さて先日来られた50歳の女性。

        頭痛、めまいがあり、前日に常備してある苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を服用して頭痛は治まったが、それ以外の体調不良が出てきて来店。

        ●めまいあり

        ●足首の冷えあり

        ●首筋のこり、肩こりはもともとある(五十肩)

        ●今朝からのどが痛い

        ●風邪っぽいが寒気無し

        ●体はだるく、ぼっーとする

        ●食欲なし

        ●昨日の夜は透明の小便が出て、今朝も回数多く色は薄い

        ●下痢は無し

         

        原因を聞くと、冷たい物を取ったからかもしれません、とのことでした。顔は少し赤くのぼせているような感じもありました。

        少陰病(しょういんびょう:体内の水と血のバランスが乱れ、腎や心に影響がでる病)の状態と取り、真武湯(しんぶとう)を3日分処方致しました。

        店頭で服用して頂き、10分程で身体が温まってきて、めまいと首コリがやわらいできた、とおっしゃって頂きました。

        夕方頃に再来店されたころには、もうすでに6包程服用されており、かなり良くなられておりました。

         

         

         

        この時期体を冷やし過ぎないように、お体に気をつけてお過ごしください。

         

         

         

        bnr_hp150.gif

         

        | 漢方 | 12:48 | comments(0) | - |
        漢方薬は本当に効くのか・・・!?  〜驚くほどの効果に感動〜
        0

          「漢方薬って本当に効くんですか?」

          「漢方薬って長く飲まないと効かないですよね?」

           

          未だに多く聞かれます・・・( ノД`)シクシク…

           

          単刀直入に言いますと、漢方薬はすぐ効きます。傷寒論に「二刻一周」、つまり28分48秒で気血は身体を一周回ると書いてあります。漢方薬を服用すると約30分で身体を一周回り、1回服用分の効果が出ます。2回飲めば2回分の効果が出ます。漢方薬はすぐ効いているのです。

          ただ、漢方薬の効き目は、その人の持つ自然治癒力を最大限発揮できるように整える働きですから、無理やりに抑えつけて一時的に強力に止める西洋薬(病院のお薬や薬局の風邪薬、痛み止めなどのお薬)とは違います。一時的でも西洋薬で抑えつければ、すぐに実感は得られますが、治していることとは違いますから、自分で治していく準備が整っていない方はお薬の効果が切れればまた症状は出てきて元に戻ります。

          漢方薬は、自分で治していく原理原則に基づき、治しやすいように整えてくれますから、その治り方も「知らない間に楽になっていた!」とか、「気づかないうちに症状無くなっていた!」と言う感じで表現される方がほとんどです。自分自身で治して良くなっていることに気付かない方が多いです。そのくらい自然な効き方なのです。でもすぐ効きます。

           

           

           

          その証拠に、私が漢方薬の効き目に本気で感動した症例をご紹介させて頂ければと思います。

          【百聞は一見に如かず】ですから写真を掲載させて頂きます。

           

          皮膚のかかとの肉がえぐれて、骨らしきものが見えるほどのひどい状態でした。

          細かい経過や漢方薬処方名は省略させて頂きますが、病院へかかり塗り薬や様々な処置をしていても全然治ってくる気配がなく、患者様ご本人が「ツルガ薬局で治していきたい!」と言って頂いたため、漢方薬中心に治療させて頂きました。本来は薬局で治療していくレベルではないと思います。それくらいの状態です。

           

           

          最初は少しケガをしたくらいの傷だったということですが、だんだんひどくなり肉がえぐれてきました。

          病院の手当や色々な塗り薬などしていても一向に良くならず、逆にだんだん大きくなってきていました。

           

           

          いくつか状態を考えて漢方薬を飲んで頂きましたが、怪我の修復、肉の再生には全く効きませんでした。

          色々と処方を変えながら、ある2種類の漢方薬を飲み出してから劇的に変わりました。

          たった3日程で、急に患部に浸出液が分泌されてきたのです。

           

           

          ここから3週間継続服用した結果、

           

          そこから3ヶ月服用後、もう傷は完全に塞がりました。

           

           

           

          私はこの時の漢方薬のことが忘れられません。

          「病院ではなく、ツルガ薬局で治したい」とお客様から言って頂いたことに対しての喜びと責任。

          最初のいくつかの漢方処方は足のかかとの傷には全く効かなかったわけです。

          何とかしてあげたい、治って頂きたい・・・。

          必死になって出した漢方処方。

          数か月にもわたって治らないどころか徐々に傷も大きく肉のえぐれ方も激しくなってきた患部が、

          その人の体の状態に漢方薬がバッチリ合った瞬間、ものの3日程で患部に変化が出てきて「治りそう!」とご本人様がうれしそうに店に来ていただけた、あの出来事が私の中では忘れられません。

           

          この例では、恐らく漢方薬がなければ、この方は傷はいつまで経っても治らなかったと思われます。

           

          私が漢方薬の効き目に本気で感動した症例です。

          もし、病院の手当やご自身で養生されてもなかなか改善されてこない、そんなときにはツルガ薬局にお気軽にご相談下さいませ♪

           

           

           

          bnr_hp150.gif

           

           

           

           

           

           

           

          | 漢方 | 13:31 | comments(0) | - |
          頑固なしゃっくり 続き
          0

            先日書いた頑固なしゃっくりの方が、ちょうど昨日(8月24日)夜ご来店下さいました。

             

            しゃっくりはいつから続いていたのかを再度お聞きいたしました。

             

            約5年ほど前からずっと続いていた、とのことでした。5年もの間2ヶ月ほど要因は分からないがしゃっくり治まった時あったが(夏の頃だったとのこと)、それ以外はずっとあって何をやっても治らなかった。

             

            今の状態はどうですか?とお聞きすると、

            「以前電話でお伝えしてから、一切出ておりません。出そうな感じがするときはあるが、出ません。」

            としっかり茯苓飲が効いていることを教えて頂きました。

             

            再度2日分、購入して頂きました。

             

             

            ちょうど同じ日に、このブログを見て下さった方から、「しゃっくりってそんなに長く出続ける人、実際にいるのですね・・・」とお声かけ頂きました。私自身も、これだけ長く続いている方は実際に接客させて頂くのは初めてでした。が、実際にいらっしゃるのですね。

             

            先月、私が勉強させて頂いております山総漢方セミナーでも、愛知県の先生の症例をお聞きしたのですが、その症状は頑固なしゃっくりでした。この方のように5年も長引いている、というわけではなかったのですが、色々な処方を出してもなかなか治りきらない方でした。

             

            しゃっくりといえども、簡単に治まるしゃっくりもあれば、色々な体の状態や影響を受けて出てくるしゃっくりもありますので、一つ一つその方自身の根本を捉えていくことは本当に大切なことですね。改めて勉強になりました(-ω-)/

             

             

            bnr_hp150.gif

            | 漢方 | 10:27 | comments(0) | - |
            長引く頑固なしゃっくり 
            0

               

              今日は、頑固なしゃっくりが意外な処方で治ったので、その症例をご紹介致します。

               

              2017年8月7日(立秋)

              60代男性 しゃっくりが長引いてつらい 柿のへたや、病院での漢方薬など服用したが治らない

              10年程前にもしゃっくりが出て治るまでに数ヶ月を要した(その時治った漢方薬処方名は覚えていないとのこと)

              今回ははっきり覚えていないが数か月前からしゃっくりが出だして、ずっと治らない

              聞くと胃を冷やしているような状態が伺われたので、まずは呉茱萸湯(ごしゅゆとう)を3日分処方。

               

              しゃっくりの様態を考えるに、基本的に薬局に来られる方のほとんどは冷えからくるものが多いです。胃を温める人参湯や呉茱萸湯、橘皮湯(きっぴとう)、小半夏湯(しょうはんげとう)、橘皮竹筎湯(きっぴちくじょとう)、六君子湯(りっくんしとう)などの処方を中心に考えていくのですが、それ以外で起こるしゃっくりもあります。

              傷寒論(しょうかんろん)・金匱要略(きんきようりゃく)にも書いてありますが、熱から起こるしゃっくりが書いてあります。胃熱から起こるしゃっくりには承気湯類(しょうきとうるい)を使いますし、半表半裏(はんぴょうはんり)のちょうど横隔膜あたりの熱や気のこもりからのしゃっくりには柴胡剤(さいこざい)がよく効きます。またそれ以外でも、その方自身の病態に応じて、漢方処方は変わってくるのは当然です。

               

              8月17日

              「またしゃっくり出てきた・・・」とおっしゃられ、再度ご来店。

              聞くと、呉茱萸湯はしゃっくり出たときだけ飲んでいるとのことでした。では飲んだ時はどうかと聞いてみますと、呉茱萸湯を服用するとしゃっくりは一時的によくなるとのことでした。数時間治まり、また出てくる、という感じらしいのです。3日分(9回分)を約10日で飲んでいますから、1日1回は飲んで一時的に抑えている、ということになります。ということは呉茱萸湯は効いているけど、治りきるところまではいっていないということです。

               

              養生法をきちんと再度お伝えして呉茱萸湯を処方させて頂こうと考えながら、もう少し詳しくお聞きしていきました。

              ●お仕事は、交通整備のようなお仕事で、炎天下の外で朝から晩まで(ここ最近は朝8時頃から夜11時頃まで)

               大量に汗をかくお仕事

              ●ペットボトル2Lほどに清涼飲料水を入れて水分補給している

               クーラーボックスに入れて冷やして持っていくが、飲むころにはぬるくなっている

              ●大便は毎日気持ちよく出る

              ●小便も普通にきちんとでる

              ●みぞおちの痞えや肩こりやめまいなど、その他の症状はなし

              ●食欲もあり

              ●顔色はよく日焼けされていて、体格もしっかりされて丈夫そう、目は少し充血(横顔に際線あり)

              ●以前病院で十二指腸にポリープがあると言われたことがある(これがしゃっくりと関係あるのではないかと気になっている)

              ●お盆の最近らへんは特に仕事が忙しいらしく、睡眠不足もありそうな様子

              ●果物やアイス、冷たい物は極力控えて取っていない

              ●ご自身ではしゃっくりのでやすい時間帯や、どうすることでしゃっくりがひどくなるか、楽になるかは分からない

              ●舌 → 苔なし 乾いている感じもなく、ベトベト濡れている感じも無し、比較的赤く鮮やかなピンク色

              ●唾や泡なし、鼻水も無し

               

              この方をパッと見た私の第一印象は、小柴胡湯(しょうさいことう)でした。しかしお話ししていると少陽経(しょうようけい)や肝経(かんけい)への熱のこもりがありません。舌の状態とこの方のお仕事・生活環境を考慮し、茯苓飲(ぶくりょういん)がいいと感じました。茯苓飲は、簡単に言いますと胃に水が多く冷えて弱っている、全体的には冷え弱りがあるが部分的に熱もこもっている状態に大変良く効きます。

              お仕事柄、水分を良く飲みますから、いくら常温と言えども水分は熱を奪いますから、胃が冷える原因にもなります。汗のかき過ぎや睡眠不足は胃の弱りにもつながり、長い炎天下での立ち仕事は腎を疲れさせ、体内の水分処理を弱らせます。胃は「水穀(すいこく)の海」と言われ、胃は水が豊富にある場所になります。胃が冷え弱れば飲んだ水分は、胃に滞りやすくなります。また胃に滞ったものは、よく肺にその停滞が運ばれ、肺の出口である鼻や皮膚、大腸などにその影響が出やすくもなります。胃と肝臓は中焦(ちゅうしょう:胃の入り口から出口近辺までの位置にある消化器系の働き)に位置し、互いに助け合い・かつ調節したり密接な関係にありますから、肝臓にもその影響が伝わり、膈気(かくき:胸腹上下の調和を主る気)が弱りしゃっくりにもなります。

               

              茯苓飲は、

              茯苓(ぶくりょう)甘平 <主薬>

              橘皮(きっぴ)辛温

              生姜(しょうきょう)辛温 <佐薬>

              枳実(きじつ)苦寒

              白朮(びゃくじゅつ)苦温

              人参(甘微寒) 

               

              橘皮と生姜で胃を温め、茯苓と白朮で停滞した水をさばき、人参で弱りを補い、弱るがゆえに熱のこもりが出来るので枳実で熱を冷ましてしこりを消し、人参の甘微寒で熱を冷まし元気にします。

              茯苓飲を3日分お出ししました。

               

               

              8月22日にお電話がかかってきました。

              「もう症状はないのですが、まだ続けて飲んだ方が良いのでしょうか?」

               

              ご様子をお聞きすると、8月17日に1回服用し、翌朝起きたらしゃっくりは止まっていた。18、19、20、21、22日と1回もしゃっくりは出ていない。数回しか飲んでいないが、今まで一時的には治まることあってもまたすぐ出てきたが、今回は出てこない。食欲も以前もあったがもっと調子良くなった。

              そして、私が一番関心した一言を言って頂きました。

              「呼吸が楽になりました!」

              とおっしゃられたのです。今まで一言も呼吸が苦しい、息苦しいなどは言っておられませんでした。恐らくご本人様も自覚されていなかったであろうと思われます。私は茯苓飲の作用をお電話で説明し、様子を見ながら服用して頂けるようにお伝え致しました。

               

               

              この呼吸が楽になったというのは・・・、そうです、条文に書いてあるのです♪

              金匱要略の痰飲咳嗽病(たんいんがいそうびょう)33条

              「外臺(げだい)茯苓飲 心胸中に停痰宿水(ていたんしゅくすい)有りて自ら水を吐出し 後心胸間虚し気満ちて食する能(あた)わざるを治す 痰気(たんき)を消しよく食せしむ」

               

               

              簡単に訳しますと、外臺という書物に載っている茯苓飲は、心臓や胸の辺りに痰が停滞している、痰というのは処理できない水と考えて頂けると分かりやすいです。そのために水が胸の辺りに宿っている、滞っているということです。胸の辺りには、心臓もありますし、心臓を挟むようにして両側に肺があります。肺は呼吸を主っておりますし、気を蔵しております。心臓は血脈を主り、血液を正常に流すために働いております。そこらへんに水が停滞しているということです。水が満ちて停滞して苦しいので、ついには水を吐き、吐くと陽気も出ますし、吐いた後は虚し(弱るということです)、気を正常に巡らすことが出来なくなってきます。気が滞れば気が満ちてきて、食べることが出来ない、元気に胃が動けないためです。茯苓飲はこういう方を治す、茯苓飲を飲めば滞った水が取れてよく食べれるようになる、という事が書いてあります。

               

               

              心胸中の停痰宿水が取れたので、肺の呼吸が楽になり、息苦しさが無くなったのです。

              本当に傷寒論・金匱要略は何でも書いてありますね・・・。改めて勉強になりました(-ω-)/

               

               

              bnr_hp150.gif

               

               

               

               

               

               

               

               

               

              | 漢方 | 19:13 | comments(0) | - |
              五苓散(ごれいさん) ってどんな処方!?
              0
                先日の五苓散(ごれいさん)について、詳しく説明してほしいという御要望がございましたので、今回は五苓散の構成生薬などもう少し詳しく見ていきたいと思います。
                五苓散の処方は、

                ●猪苓(ちょれい) 甘平 <主薬>

                ●沢瀉(たくしゃ) 甘寒

                ●茯苓(ぶくりょう) 甘平

                ●桂枝(けいし) 辛温

                ●白朮(びゃくじゅつ) 苦温 <佐薬>

                この5つの生薬で構成されている処方です。

                 

                猪苓・沢瀉・茯苓は味は甘です。つまり脾胃・肌肉にいきます。白朮は苦味ですから血脈の位置へ作用します。この4生薬は簡単に表現しますと水に作用します。

                 

                ここで補足いたしますが、1つ1つの生薬には味と気なる働きがあります。味には酸味、苦味、甘味、鹹味(かんみ:塩味)の5つがあります。各々の味には、補い、助け、益すという「味の三用」なるものがあり、例えば甘味は「肝を益し、心を助け、脾を補う」働きがあります。気の働きには温(温めていく働きがある)、微温、平、微寒、寒(冷やして熱を取る働きがある)があります。

                 

                 

                猪苓は渇して小便不利、小便不利による嘔によく効きます。甘平となっておりますので、気の働きとしては温めも冷やしもしない「平」とされておりますが、猪苓の生薬そのものは内に熱ある状態によく効きますので、イメージ的には「微寒」のように考えて使う方が分かりやすいかもしれません。

                 

                沢瀉は甘寒で胃の熱を冷まします。つまり沢瀉が入っているという事は、必ず胃に熱があるという事になります。胃に熱があれば喉が渇きますから、沢瀉はこの熱を去り、乾きを潤し渇(かつ)、冒(ぼう:頭に重く大きい帽子がかぶさっているような症状)や眩(げん:めまい)を治していきます。

                 

                茯苓は甘平で、沢瀉のように冷やしたりはせずに、脾胃の水をさばくことにより動悸や眩、煩躁(はんそう:もだえてさわがしい)、衝逆(下から上へと突き上げる症状、例えばむかつきや動悸、息切れ肩のはり、頭痛、のぼせなど)、そして肉しん筋Α覆砲しんきんてき:ピクピク筋肉が動く、ケイレンする)を治していきます。

                 

                白朮も同じように水を動かしていく生薬なのですが、味が苦です。苦味のものは血に行きますから、血脈(けつみゃく:血液がめぐる脈、流れる循環器系)の水を利していきます。上述の甘味の3生薬とは作用する位置が違います。そして特徴的なのは、小便不利(ふり)だけでなく小便自利(じり)にも働きます。小便不利は小便の出にくい状態です。小便自利というのは、反対に小便が出過ぎること、または小便の出が悪くなるはずなのに逆に出が良いことを言います。つまり出にくくても、出やすくてもそこの調節をするために使います。例えば小便が少なく、大便に小便で出すべき水が回って下痢している場合や、小便の回数が多くたっぷり出て便が硬い場合など、よく白朮を使います。また血脈を温める働きがありますから、血脈が温まれば筋肉や骨も温まりほぐれますから

                筋骨の痛みにもよく使われます。めまい、むくみ、頭痛、吐気、胃腸の病など応用範囲の広い生薬です。

                 

                桂枝は気味(きみ)は辛温で、肺や皮膚を温め汗を発し表を整えます。表の陽気が不足することで起こる衝逆(しょうぎゃく:下から上へと突き上げる症状、例えばむかつきや動悸、息切れ肩のはり、頭痛、のぼせなど)によく使います。表のただれを整えたり、表を補う目的で使います。

                 

                五苓散で体内の停滞している水を体外に抜く場合、表が整っていないと水はうまく外へ出ません。例えば、2Lの水の入ったペットボトルを真下に傾けても出てくる速度は緩やかですが、逆さにしたペットボトルの上の部分に小さい穴を開けますと、もっと勢いよく早くペットボトル内の水は外に出ますよね。人間の体もこれと同じことが言えます。表である皮膚の状態が整っていないと、陽気が正常にめぐり、気の発散が正常に出来ていないと、体内に停滞した水はなかなかスムーズに外へ出せないのです。この表の陽気を補い整える働きが五苓散内の桂枝にあるのです。ということは、反対に言いますと、皮膚を冷やす(クーラーなど)ことは、五苓散の効き目を低下させてしまうことになります。また白朮で、皮膚の下に流れております血脈を温めて桂枝の表を補う働きを助けております。

                このように見ていきますと、1つ1つの漢方薬の生薬構成や量のバランスなど、精巧に緻密に考えられて作られていることが分かってきます。素晴らしいですね♪

                 

                 

                次回は、五苓散を条文を使って説明していきたいと思います。

                読んで頂きありがとうございます(/ω\)

                 

                 

                bnr_hp150.gif

                 

                 

                 

                 

                | 漢方 | 13:35 | comments(0) | - |
                夏から秋にかけての下痢  続編 〜 五苓散(ごれいさん) 〜
                0

                   

                  昨日はこの時期の体の状態と、それに伴う下痢に対しての桂枝人参湯を書かせて頂きました。

                  さて今日は桂枝人参湯ではないこの時期多い下痢、そして桂枝人参湯との違いの見分け方を書かせて頂きます。

                   

                  ずばり処方名を出させて頂きますと、五苓散(ごれいさん)です。

                  五苓散はごく身近な処方ですから、ご存知の方も多いと思います。

                   

                  傷寒論の霍乱病(かくらんびょう)6条を見てみますと

                  「霍乱(かくらん) 頭痛 発熱 身疼痛 熱多く水を飲まんと欲する者は五苓散 之を主る 寒多く水を用いざる者は理中丸(りちゅうがん)之を主る」

                   

                  この条文は非常に大切です。霍乱というのは急な吐き下しの病のことです。吐いたり、下痢したり、頭痛や発熱、体の痛みなどが出ている状態、もちろん全てが揃っていないといけないという事ではありません。霍乱病ですから、吐くか下痢するか、このどちらかは出ていればいいと考えられます。これらの症状が出ていて、吐き下しにより体内の津液(しんえき:体液)が減り、胃が乾き熱を持ち喉も渇いてくる、これが「熱多く水を飲まんと欲する者」になります。

                   

                  普通は喉が渇いて水分を取れば、胃でしっかり温めて消化吸収し体をめぐり、汗や小便、大便で排出されます。しかし霍乱を起こしている状態ですから必ず胃の弱りがあります。そうすると喉が渇いて水分を取っても、消化吸収が滞り正常に水をめぐらせることが出来ず、イメージ的に表現すると胃の周りに水が溜まってしまうのです。そして胃には熱があり、この熱も実熱(じつねつ)ではなく、胃の弱りからくる虚熱(きょねつ)です。この胃熱のために乾いて水分を飲みたくなる、飲んでも必要なところにめぐらせることが出来ず胃の周りに滞ってしまうので、乾きや熱は潤わないのです。でも飲んだ水は胃の周りにある、これを五苓散で治していくのです。

                   

                  私が漢方を勉強させて頂いております、愛知県の山総漢方セミナー。この勉強会に参加されておられます大先輩Y先生。この先生から「五苓散は胃熱を取るから、よく口内炎にも使いますよ」と昔教えて頂いたことがあります。これもこの虚熱のことをきちんと理解されているからこその応用ですね。

                   

                  同じ霍乱病で同じ症状がでていても、その人によって、その時の体の状態によって逆に胃が冷えてしまうことがあります。胃は冷えているので、「寒多く水を用いざる者」、つまり水はそこまで飲みたがらない状態になります。胃が冷えていればガブガブ水分を飲むことはできません。こういう状態の時は、胃の虚熱をとって水をさばいていく五苓散ではなく、胃を温めて陽気を入れてあげて水を少しさばいていく理中丸がいいということになります。理中丸は人参湯(にんじんとう)の丸剤です。

                   

                  つまり五苓散と人参湯は、胃の寒熱で相対する処方であるとも表現できます。

                   

                  昨日の桂枝人参湯は、この人参湯の中の甘草を増やし、桂枝を加えた処方になります。簡単に表現しますと桂枝も必要な人参湯・理中丸の状態の時に使う、つまり皮膚や肺が冷えている状態、クーラーなどで表を冷やしながら、この条文の理中丸の状態が伺える人に桂枝人参湯は使えばいいのです。

                  五苓散にも桂枝が入っていますから、このクーラーなどでの肺や皮膚の冷えに対して桂枝で温めてあげることが出来ます。

                   

                  皮膚の冷えがあり、胃の熱がある場合の吐き下しには、喉の渇きを確認して渇きがあれば五苓散

                  皮膚の冷えがあり、胃も冷えている場合の吐き下しには、喉はあまり渇かないことを確認して桂枝人参湯や理中丸(人参湯)

                   

                  もっともっと細かく見ていくと沢山あるのですが、今日はこの霍乱病6条の条文を中心に説明させて頂きました。

                   

                  読んで頂きありがとうございます。ご意見ご感想、ご要望などございましたら、何なりとツルガ薬局 田邉宗久までよろしくお願い致します(/ω\)

                   

                  bnr_hp150.gif

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                  | 漢方 | 18:18 | comments(0) | - |
                  夏から秋にかけての下痢 〜 桂枝人参湯(けいしにんじんとう) 〜
                  0

                     

                    ここ数日、下痢の方のご相談が増えています。

                     

                    暦的にはもう秋になっておりますので、秋は肺大腸経が旺する(頑張っている)期節ですから、大腸の弱りからくる下痢が多くなってくることはごく自然なことで、こういうところからも自然の摂理や人間の体の働き方も自然の影響を受けていることが改めて実感できます。

                     

                    まだまだ暑いですからクーラーを効かせて体表から冷やしている生活環境がどなたでもあるのではないでしょうか。そこに加え、冷蔵庫内の冷えた飲物、アイスや氷類、スイカや桃、ブドウなどの果物類、なおかつ水分の摂取量も多くなってきやすい時期です。水は体内の中では一番冷やす働きを持つものですから、そうすると外からも中からも両面から冷やして弱らすという事になります。

                     

                    人間の体というのは、夏は外気温が高いですから熱中症などにならないように体内の熱を汗として放散できるように、血液の循環や陽気の熱は内臓よりも体表部に多くなっています。反対に冬は体内の熱が逃げてしまわないように体表部よりも内部に血液や陽気の熱は寄っているのです。ですので冬は痔や出来物が多くできますよね。こういうことは傷寒論(しょうかんろん)の辨脈法(べんみゃくほう)30条にも書いてあります。その季節によって、人の体の血液や気の動き方、寄り方も変わってくるのです。

                     

                    夏は内臓、胃の熱が少ないのです。そこに水分や冷たい物が多く入ってきますし、その上にクーラーなどで体表部も冷やすわけですから、体としてもたまったものではありませんよね。その影響でどうなると思いますか。もちろんその人の体力や体質などにより様々な状態にはなるとは思いますが、ひとつのなりやすい形として傷寒論 太陽病下編の36条を見て頂くと良いと思います。

                     

                    「太陽病 外證(がいしょう)未だ除かざるに 数(しばしば)之を下し 遂に協熱(きょうねつ)して利し 利下(りげ)止まず 心下痞硬(しんかひこう)表裏解せざる者 桂枝人参湯(けいいにんじんとう) 之を主る」

                     

                    簡単に訳していきますと、太陽病で病の原因がまだ外にある、表がまだ治りきっていないのに下しをかけたという事です。治療の原則として、体表部が治っていない、体表部に病がまだあるときは下し(下剤など)はダメです。体表部の病が中に入ってしまい、症状が悪くなったり治りにくくなるためです。表が治っていない時はまずは表を治す、これは治療の原則です。よく風邪などの時にご年配の方が便が出ないことをお医者さんに伝えて風邪薬と下剤が一緒に出ることがありますが、これは要注意です!!

                    話を戻します、ただこの場合は、恐らく外證がまだ残っていることが分かりにくかった状態であろうと思います。よく店頭で実際にお客様を診る時に外證があるかないか、どこでどう見極めていくか難しい時も多々ありますから。病が表にあるのを何回も何回も下しをかけてしまった、胃や消化器系に熱がこもっている場合は下しをかけて治しますから、そのような状態と間違えて何回も下しをかけてしまったということです。それにより体表部の病邪の熱を中に落とし込ませてしまい、何度も下して体内の津液(しんえき:血液を除いた体液)が不足して乾き、乾けば熱を持ちますから、その乾いた熱とぶつかり合ってますます下痢が激しくなってしまうのです。これを協熱と言います。そして半分表、半分裏の表裏の堺目がちょうど横隔膜らへん、胃の辺りのみぞおちらへん、心下(心臓の下らへん)に当たりますから、そこに外からと中からの熱がぶつかり合い硬く結ばれて心下痞硬(みぞおちのあたりが痞えたり硬くなる)の証が起こります。もちろん、表も裏も弱り整っていない状態となり下痢が止まないのです。そういう時には桂枝人参湯で之を治す、という事が書かれた条文です。

                     

                    端的に申しますと、クーラーで皮膚の表が冷やされ、冷たい物や水分量が増えて裏も冷やされ、表裏にまたがり冷え弱りが起きている状態、今の下痢の症状にピッタリであるということです。よく桂枝人参湯は出しております。ただ全てが桂枝人参湯ではありませんので、明日は桂枝人参湯ではない、よく出ている処方を1つご紹介させて頂きます。

                     

                     

                    先日、「傷寒論の条文を交えて解説してほしい」というお声をいただきましたので、条文を書かせて頂きました。もっとここを書いてほしいという御要望ございましたら、ご意見いただけるとうれしいです。ご意見ご感想、お待ちしております。

                     

                    bnr_hp150.gif

                    | 漢方 | 12:39 | comments(0) | - |
                    土用中の手術・治療は要注意!
                    0

                      JUGEMテーマ:漢方

                       

                      43歳の痩せ型の女性の方の症例をご紹介致します。

                       

                      2017年2月3日(金曜日)

                      他店より電話があり、「今お客様が店頭に来られていらっしゃるのですが、症状をお聞ききしましたが症状が激しく病院でも治らない方で難しいので、先生お願いできませんか。」ということでした。お客様のお名前をお聞きすると、私も今まで何度か接客したことのある方で、顔も体格も分かる方でした。

                       

                      スタッフ経由で大方の状態を聞いてみると、

                      年末から歯茎が腫れて、歯科で治療し、抗生物質(セフゾンなど)や鎮痛剤(ロキソニンなど)も服用していてもだんだん歯茎が腫れてきて、手に負えなくなってきて歯科医にも「もううちでは対応できない」とさじを投げられてしまった。他の歯科医院(2院ほど)にも受診したが、全く良くならず、薬も効かないし、だんだんひどくなってきたとのことでした。

                       

                      ご本人さんに電話を代わってもらい問診してみると、

                      ●治療自体は抜歯ではなく、歯を治療し歯に物を被せて、それを取ってもらったのがちょうど1週間程前で1月25・26日くらい。この頃に特に腫れて口が開かない、もちろん噛めなくなってしまった

                      ●患部を触ると熱い、夜も眠れない

                      ●ロキソニン飲んでも効かない

                      ●数日前に少し膿が出て、ほんの少し楽だった

                      ●熱(体の体温)はロキソニン飲んでいるのであるのか無いのかは分からない(微熱がその前くらいから出ていた)

                      ●ここ1週間ほどは柔らかいものしか食べられない、少量しか食べられない(ウイダーインゼリーやおかゆを食べている)

                       

                      ここまで聞いて、この方の症状は年末からもう1ヶ月から2ヶ月ほどになります。うまくしゃべれず、口も開かない状態で、病院の抗生物質や鎮痛剤を飲んでいても治まってこない、1週間前から特に激しく悪化しきちんとした食事も食べられておりません。1週間前というと土用の真ん中です。土用が1月17日から2月3日ですから、そのちょうど真ん中、つまり土用の土の気、肉への熱のこもり方も一番激しい時です。口は、胃であり、肌肉(きにく)に当たります。歯ぐきは肌肉であり、脾胃の状態が反映される場所です。土用の一番土の気が旺(おう)する1月25・26日から激しくなっていることからも、やはり自然の摂理、自然の中に人間は生かされていることを改めて再認識させられました。

                       

                      土用は、土の気、脾胃の気が旺している、つまり力を持って頑張る季節です。土は、土台になり、真ん中であり、万物の帰するところ、つまり伝えるところがない大元です。その土台が頑張っている時、無理がかかりやすい時に、体を疲れさせるような慣れない土いじりや運動、過労、暴飲暴食、そして手術や体にメスを入れること(歯の治療もこれに当たります)は、体の大元を損なわせ病気や症状の悪化や回復を遠ざける事につながっていきます。最悪の結果にもつながることも多いと聞いております。できる限り土用中の手術や検査(肉を傷つけるような検査)は避けるべきです。症状が落ち着いている方でも、土用中は地面である土の気が盛んですから、症状がぶり返しやすくなります。

                       

                      この方の今の症状は、この土用中の影響と、年末からの無理疲れで歯ぐきの肌肉に熱がこもっているのです。

                      ●手足の冷え→なし

                      ●寒気→以前はあったが今は無い

                      肌肉の熱を下す大黄の処方を考え、1週間ほど食事がきちんと取れてませんから、胃の不和(ふわ:正常に整っていない状態)を整える下し薬、調胃承気湯(ちょういしょうきとう)を1日分処方。その日のうちに3回飲んで、明日にまたご連絡くださいとお伝え致しました。

                       

                      2月4日 

                      「昨日午後1回、夕方1回、寝る前と飲んで、夜中にお腹が痛くなって下痢しました。でも少し口開くようになりました。」

                      最初の激しい熱感は調胃承気湯で取れた感じでした。ただ下痢して腹痛も出てきましたから、もう調胃承気湯などの大黄(だいおう)の処方はいりません。

                      四逆散(しぎゃくさん) おもゆ 2日分処方。

                       

                      2月6日

                      「2月4・5日と飲んで、5日の夜にお腹が痛くなり下痢しました。今日はまだ何も飲んでいません。でも大分口も開くようになりました。」

                      程度をお聞きすると、最初が10とすると今は5くらいになったとのことでした。3日で半分になれば上出来です。今までずっと悪いままで病院の手当も効かないほどの状態が改善に動いているのは、漢方薬が効いている証拠です。

                      ここで再度問診、

                      ●生理前でもうすぐ生理が来る

                      ●調胃承気湯、四逆散で腹痛と下痢が起きた

                      ●年末からの病の本となっている疲れがある

                      ●元々やせ形の体型で、ここ1週間きちんとした食事が取れていない

                      これらのことを考慮して、血を補い、疲れを取り、お腹を守り、歯ぐきである肌肉(脾胃)を補う 当帰建中湯加阿膠地黄湯を食前に、四逆散を食後に 2日分ずつ処方致しました。もちろん食事の栄養の補いであるコンクレバンはきちんと飲むようにお伝え致しました。

                       

                      2月9日

                      ちょうど他店に行ったときに偶然お会いすることが出来て、症状をお聞きすると10が3くらいになり、もう痛み止めも飲まなくても大丈夫になり、歯ぐきは全然気にされていないようでした(笑)もちろん下痢や腹痛は起こっていないようでした。

                       

                      ご本人様は漢方薬が効いている実感はなく、自然に治ったような感覚をもたれておりました。しかし1ヶ月以上も症状が改善せず、3か所の歯科医院からの抗生物質や鎮痛剤などの効果も出ず、治療の仕様がないとさじを投げられ、夜も寝れず口も開けなかった状態が、1週間以内で気にもならないくらいまで回復できているという事は、必ず漢方薬は効いております。

                       

                      全て病気を治していくのはその方自身です。養生したり、色々治療しても治ってこない時、そういう時に病の根本を捉え自分自身で治していけるようにバランスを整えてあげる、自分で自然に治していけるようにサポートしてあげる、そんな役割が漢方薬なのです。ですので、漢方薬が効いて自分自身で治していける時は、この方のように自然に治る感覚を持たれる方が非常に多くいらっしゃいます。無理やりではなく、ごくごく自然なのです。自然の本来自分に備わっている治していく力、これを正しく働かせるためのお薬、手助けが漢方薬の働きなのです。

                       

                      改めて勉強になりました(−ω−)/

                       

                       

                      bnr_hp150.gif

                       

                       

                       

                      | 漢方 | 14:50 | comments(0) | - |
                      | 1/10PAGES | >>